nifty 会議室 詰将棋入門講座 LOG 011

00419/00428 VED01564  シゲ太           初心向け詰め手筋講座(5)
( 7)   97/01/01 14:08

  SPECさん、SGALの皆さん、
  明けましておめでとうございます。
  本年もどうぞよろしくお願いいたします。
  
  では早速講座(5)へいきます。
  
    9 8 7 6 5 4 3 2 1
  +---------------------------+
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
  | ・ ・ ・ ・ ・V飛 馬 ・ ・|三
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩V玉|四
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 竜V歩 ・|五
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V馬 ・|七
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
  +---------------------------+
  持駒: 金香
softv2022_011a.jpg
  この詰み形は24歩をと金にして24馬あるいは24竜までとみました。
上にあがられるとつかまえようがなくなるので16香から入ります。
あとはねらいを実現すべく13金の筋から読めば自然と正解に至ります。
15金も読みにはあるかもしれませんが、読めば届かないことは一目ですし、
13金はもっとも働いている手なので、これは第1感の手です。

作意:16香、同馬、13金、15玉、23歩成、33飛、14金、同玉、
   24竜までの9手詰

初手:2 3手目:3、5 5手目:6 7手目:5

 5手目はこの場合は捨てることによって作る空間ではなく、攻め駒の利きを
通すことによって作る空間です。3手目の金打ちが玉を呼ぶ意味で打った金で
したが、玉が逃げたため攻めの拠点ともなっています。それを再度7手目で
活用し、またもとの位置へ呼び戻します。



    9 8 7 6 5 4 3 2 1
  +---------------------------+
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V玉V香|一
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・V飛 ・ ・|二
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 竜 ・V歩|三
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V銀|四
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・Vと ・|五
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
  | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
  +---------------------------+
  持駒: 金銀3
softv2022_011b.jpg
 この詰み形は玉を12に持っていって32竜、22合、21銀までと
みました。でもこれは間違っていました。しかし、変化の中でこの形は
表れ、何よりも読みの指針となりました。まったくどこから手をつけて
いいのか分からない詰将棋がときどきありますが、これがいちばん厄介物
なのです。
 詰み形の想定→指針→読み→詰み形が見える→詰み、といった流れで
しょうか。方針を立て、直感と読みの模索の中、常に詰み形をさがすと
いう作業が解図といえると思います。方針が立たないと直感も働かないし、
読みも非常に疲れます。試行錯誤です。働きのある手、可能性のある手を
あれこれ試すしかないのです。その中から先が見えてくればしめたもの。
指針を立てられるのでぐっと楽になってきます。

作意:31金、同玉、42銀、21玉、12銀、同香、22銀、同飛、
   31飛成までの9手詰

初手:5(3のために) 3手目:3 5手目:2 7手目:4

 初手12銀や22銀が第1感でした。しかし、詰みません。詰み形の想定
がくずれました。手の模索です。31金も読んでみました。42銀で拠点が
作れることに気づきましたが、12銀が見えにくく手間取りました。何回か
繰り返すうちに12銀が見え、詰み形がわかりました。
 この12銀は玉が逃げたいところに打つ手でまさに手筋といえると思いま
す。何かをしたときに12玉なら詰まないのですが、最初から12銀と誘う
と玉で取れないという詰将棋にはときどき出てくる捨て駒です。

                          シゲ太


00420/00428 VED01564  シゲ太           re:般若一族と遊ぼう
( 7)   97/01/01 15:18

 首猛夫さん、こんにちは。

 「般若一族と遊ぼう」、期待しています。
特に、長編作家集団、超難解作へのステップというところに
心引かれました。

 詰めパラの解答はいつも高校までは一気にいくのですが、
その後短大で2、3問引っかかり、気が重くなって何日も
取り組まず、ひと月終わってみると大学が1問、大院が1問
解けたぐらいのところで終わってしまいます。

 今年は一念発起、解答番付10位に食い込めるようがんばって
みようと思っています。
大院の担当者、首猛夫さんの講座があれば恐い物なしです。
間違った解答送ってもまるにしてくれますよね。シテクレナイッテ
よろしくお願いします。

 第一回の詰将棋はやさしすぎました。(17手) 以降に期待します。

                     シゲ太


00421/00428 VED01564  シゲ太           余詰めっけ
( 7)   97/01/01 16:28                     コメント数:1

 下図は「さわやかな詰将棋105」岡田敏著の中の第5問です。

岡崎様>玉方44歩の意味は?

 うーん・・・ あれ、余詰をみつけちゃった!
 岡田敏さんにして余詰とはめずらしいのでは。

   9 8 7 6 5 4 3 2 1
 +---------------------------+
 | ・ ・ ・V歩 ・V玉 ・V桂 ・|一
 | ・ ・ ・ ・ ・ ・V飛 ・ 馬|二
 | ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・ ・|三
 | ・ ・ ・ ・ ・V歩 ・ ・ ・|四
 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
 +---------------------------+
 持駒: 金4
softv2022_009c.jpg
作意:31金、同玉、22金、同飛、41金、同玉、23馬、同飛、42金まで

余詰:52金、同飛、23馬、32金、31金、同玉、22金、41玉以下。

 岡田敏さんには申し訳ないのですが、余詰を見つけるってうれしいものですね。

 まさか清涼詰め(さわやかな詰将棋・・詰め上がり攻め駒2枚)にならない
からこの順はボツというわけではないですよね。

                             シゲ太


00423/00428 VYN03423  岡崎正博         RE:般若一族と遊ぼう 第一回
( 7)   97/01/01 17:46  00412へのコメント

Date:01/01/1997

谷 幹 様:

>詰将棋パラダイス大学院担当の首猛夫です。
>先日の呼びかけに応じて、長編作家集団「般若一族」で作った作品
>(発表済)をやさしく解説するコ-ナ-を開設します。

将棋初心者の岡崎です。
何とか、詰将棋の勉強をと思うのですが、いい参考書が見当たらず、
まだ一桁の詰将棋で苦労しています。
詰将棋初心者コーナーが出来るのは有り難いことです。
宜しくお願いします。


それと、何故か、座標の算用数字がづれています。


圍棋文化研究會  岡崎正博

00424/00428 VED01564  シゲ太           re:質問
( 7)   97/01/01 18:30

  岡崎さんの質問にお答えします。
  
>>詰み形をたくさん知っていることが早く解く要素のひとつ。
>ということはほかにはどんな要素が?
 当然のことですが、一番大きいのが読みの速さと正確さ。
 直観の鋭さ、冴え。
 手をたくさん知っていること。
 構想力、判断力なんかもきっとあるに違いない。


>間口の狭い詰将棋だから早く解けた。
 いえいえ、そういった詰将棋を徹底してやった方が
いいと思います。もっと極端に言えば3手詰1000問ぐらい
やるのが手筋を覚えるにはいちばん手取り早い。


>盤に並べず1分ぐらいで解けた。
 わたしと何も変わりません。
 たまには講師交代しまひょ。


>44歩の配置の意味は?
 わからず・・zzz

              シゲ太
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nifty 会議室 詰将棋入門講座 LOG 010

00412/00415 BYZ03411  谷 幹      般若一族と遊ぼう 第一回
( 7)   96/12/31 18:13

みなさんこんばんは。

詰将棋パラダイス大学院担当の首猛夫です。
先日の呼びかけに応じて、長編作家集団「般若一族」で作った作品
(発表済)をやさしく解説するコ-ナ-を開設します。

初心向け講座というよりは中級以上という感じですがなるべく初心
者の方でもわかるようの心掛けます。
超難解作へのステップと考えていただければ結構です。
題して「般若一族と遊ぼう」。

最初にお断りしておきますが、本コ-ナ-はあくまで初心者の方の
ためのものです。
詰将棋の面白さや楽しさを少しでも感じて頂ければそれでOK。
将棋は強いけれど、「詰め将棋にはあまり関心がない」などという
人も結構。
「関心はあるけれど難しい・・・」
大丈夫です、わかりやすく丁寧に解説しますのでご安心を。

では第一回目のはじまりはじまり・・・。

まずは簡単な問題から。
第一図はわたくしの処女作です。
もう18年くらい前の作品で、大井町に将棋センタ-があったころ
三段くらいの人に出題してもなかなかすぐには解けない代物です。

でも答えを聞くとなーんだとなります。
一応みなさんも少し考えて見てください。
この「少し考える」というのがとても大切なことでして、5分以上
考えても詰まない作品は罠に落ちているか、その筋を全くご存知で
ないかのどちらかです。
堂々巡りを避けるためにも、「少し考える」を実行してください。
え?「少し考えてもわからないときはどうするの?」
はい、答えを見てください。


第一図
   9 8 7 6 5 4 3 2 1
 +---------------------------+
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v銀|一
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂|二
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩v玉 歩|三
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|四
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香 ・v歩|五
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 歩 ・|六
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
 +---------------------------+
持駒:角歩
softv2022_010a.jpg
まず、持駒に「歩」がある詰将棋は打歩詰作品と疑って見ると良い
でしょう。事実この作品も打歩が絡んでいます。

さて初手はどこから手をつけたら良いでしょうか?
とにかく角を打つより手が続かないのですが、上から打ったのでは
玉を寄られて詰みません。
では、初手は▲41角しかありませんね。
この▲41角に玉が逃げるとどうなるでしょうか?
まず▽22玉と逃げる手から考えてみましょう。
これに対して▲32角成りとやっては▽13玉で打歩詰めになります。
第二図がその形です。

第二図(失敗図)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
 +---------------------------+
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v銀|一
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 馬 ・v桂|二
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・v玉|三
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|四
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香 ・v歩|五
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 歩 ・|六
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
 +---------------------------+
持駒:歩
softv2022_010b.jpg
そこで、▽22玉には▲32歩成と攻めます。
これに対して▽23玉と真っ直ぐ上がるのは▲33との両王手で詰みま
す(第三図)ので、▽13玉と逃げるのですが、以下▲14歩、▽同玉
▲33と、▽13玉、▲23角成まで捕まってしまいます。

第三図
9 8 7 6 5 4 3 2 1
 +---------------------------+
:| ・ ・ ・ ・ ・ 角 ・ ・v銀|一
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂|二
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ とv玉 歩|三
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|四
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香 ・v歩|五
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 歩 ・|六
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
 +---------------------------+
持駒:歩
softv2022_010c.jpg
ですから、初手▲41角に対しては、▽13玉と逃げます。
でもそれも簡単な3手詰みですね。

そうです、▲14歩、▽22玉、▲32角成迄ですものね。

それではこれでおしまい(詰み)なのでしょうか?
おっときょうはここまで、あんまり頭を使うとくたびれますよね。
ここで宿題です。
第四図
   9 8 7 6 5 4 3 2 1
 +---------------------------+
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v銀|一
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂|二
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩v玉 歩|三
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|四
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香 ・v歩|五
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 歩 ・|六
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
:| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
 +---------------------------+
持駒:角歩
softv2022_010d.jpg
初手▲41角(第四図)に対する玉型の最善の受けは何でしょうか?
参考までに今までの読みをダイアグラムにしてみました

▲41角-▽22玉-▲32歩成-▽13玉-▲14歩-▽同玉-▲33と-▽13玉-▲23角成○
   |   |    |       |▽23玉-▲33と○
   |   |    |▽23玉-▲33と○
   |   |▲32角成-▽13玉×
   |▽13玉-▲14歩--▽22玉-▲32角成○
(○はその時点で詰んでいることを、×は逃れていることを表して
 います。)

00414/00415 VYN03423  岡崎正博         RE:初心向け詰め手筋講座(2)
( 7)   96/12/31 21:01  00408へのコメント

Date:12/31/1996

シゲ太 様:

> 岡崎さんの質問について

岡崎です。
ご回答どうもありがとうございます。

>第2回は詰み形の想定ということです。(急遽(^_^;)

毎回分からないことは、この機会ですから乱入質問しますが、
ご回答はついでの折りで結構ですよ。
こんな疑問を感じている生徒もいるくらいの、軽い気持ちでお読み
下さい。
小生の疑問は、初心者の犯す、悪い例の見本くらいに思って下さい。

> 詰将棋を解くには詰み形を想定するという作業は不可欠です。
>ところが多くの詰将棋は始めに見た図から詰み形を想定するのは
>難しいのがふつうです。
> 下図を見てください。(出典:さわやかな詰将棋105 岡田敏著)
>
>   9 8 7 6 5 4 3 2 1
> +---------------------------+
> | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V玉|一
> | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|二
> | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・|三
> | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V歩|四
> | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
> | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
> | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
> | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
> | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
> +---------------------------+
> 持駒: 角2歩
softv2022_009a.jpg
>
>
> さて、ではこの詰将棋の詰み形をどうやって知り、詰ますのかというと。
>
> この詰将棋の詰み形をいくつか想定し、そこへ持っていくための手を
>くだして詰ますことができたら、それはまったく理論的にこれを解いた
>といえるのかもしれませんが、多くの場合そうではなく手を読み、つなげ、
>試行錯誤の中から詰み形をさがしているというのが正しいように思います。
>(では瞬間的に解く人は何なのだ、ということになりますがーー誰か教えて)
>
> わたしの解き方は手をつなげるには初手の王手は21飛捨てしかない
>というところから読みに入っていきます。

1)歩は打歩詰めになってしまうから打てない、角は王手にならないから
    打てない。従って第1手は、飛車捨てですね。
    1二に捨てると、銀の利きからいって難しそう、玉は下段に落とせで、
    第一感、▲2一飛成捨てですね。
2)△同玉はしかたない。


> 詰将棋の大きな要素に必ず詰む、というのがあります。これは指し将棋と
>まったく異なるところで、ゆえに詰将棋というのは指し将棋にくらべたら
>かなり解明しやすいものであると言えると思います。
> さてそういうわけで21飛捨てから手をつなげていけば見えてくるものが
>あるだろうというわけです。そして攻めの拠点を32角か、43角かと
>模索しながらおおざっぱな読みとともに感覚的なものも使って詰み形を
>さがしていくわけです。

3)第3手、第一感は、角しかないのだから、銀の利きを外して、
    ▲3二角、か、▲4三角。上に逃げられるのも警戒しないとい
    けないので、▲4三角も考えておかないと。
    それに、三線以内だから成りのことを考えると、出来ることな
    ら、金がないのだから、4三から打って成りをみたい。
    (何か指し将棋の考え方みたいですね、考える手順がおかしか
    ったら、指摘して下さいね。これは初心者のおかしい見本です
    から。)
4)△1一玉、これも角の打つ位置を限定してここしかない?
5)でも、ここじゃあ何も出来ないから、▲1二歩、△同玉、
6)ありゃ、最初の▲4三角待ったですね?
    ▲3二角にしてやり直し。
    でも同じになるかしら...?(読み)大丈夫ですね。では待った
    をして最初から、
    ▲2一飛成
    △同玉
    ▲3二角
    △1一玉
    ▲1二歩                         
    △同玉
    ▲2三角打
7)△1三玉は、▲1四角成でうまくないから、△1一玉、はしょ
    うがない。うん、ここで第1回の最初の五手詰めに戻った。
    捨て駒をして詰められる位置に玉を移動させるんでしたよね、
    ▲2一角成、△同玉。
8)それから、玉をつかまえるための空間を作るで、
    ▲3二角成
    △1二玉
    うん、詰んだ。
    ▲2二馬

なんか、うまく解けちゃったけど、これ、シゲ太さん、ズルしてま
せん?
(女神は常にボクの味方!?)
教科書通りに解いたら、簡単に解ける問題必死になって探すとか...。
うん、分かった。この問題、玉の逃げ方に変化がないんですね。
だから小生でも簡単に解けた。それに最初にヒントが4手。九手詰め
の問題ですか?
でも、13手にビビッて、三分から五分くらいかかっていますよ、きっと。

> 岡崎さんが質問された「つかまえられるとどうしてわかるのか。」は
>あれこれ読んでいるうちに詰み形が見えた、というのがほんとうの
>ところでしょうか。

ウンウン、確かにそうですね。

>つまり詰み形をたくさん知っていることが速く解くひとつの要素になるか
>とは思います。

う~ん、結局、情報データベースの大きさになるんですか?
でも、「ひとつの要素」の要素ということは、外にも、何か隠し駒
があると言うことですね?

>(これじゃ光速の読みにならないって?でもみんなそんなふうに読んでいる
> と思うんだけどなあ。)

フムフム..... .... ? ?? ???

> 前題の5手詰も13玉、23金の詰み形に持っていければというよりも、
>初手は23銀しかないというところから読みに入って、そして詰み形を
>さがすというのが自然かなあと思います。その方が速いでしょう。わたしも
>そうだし。

デモですよ、前題も今題も間口が極端に狭い。しかし、間口が広い
と玄関口でつまづいちゃいますよね。そこでしっちゃかめっちゃか
に成っちゃうんですよ。頭の中は駒が散乱し、盤がぐちゃぐちゃ、
読みはあっちへいったりこっちへいったり、散らかって収拾付かな
くなります。
変化も極端に少ないですよね。



圍棋文化研究會  岡崎正博
e-mail: VYN03423@niftyserve.or.jp

00415/00415 VYN03423  岡崎正博         RE:初心向け詰め手筋講座(4)
( 7)   96/12/31 21:01  00410へのコメント

Date:12/31/1996

シゲ太 様:

>     9 8 7 6 5 4 3 2 1
>   +---------------------------+
>   | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
>   | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
>   | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|三
>   | ・ ・ ・ ・ ・ 竜 ・ ・ ・|四
>   | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
>   | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V玉V角|六
>   | ・ ・ ・ ・ ・ 竜 ・ ・V角|七
>   | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
>   | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
>   +---------------------------+
>   持駒: 桂歩
softv2022_009b.jpg
この問題、盤に並べずに1分くらいで解けました。
1)1八桂の利きを確認したあと、玉が逃げられるのは、2五と1五
    なので、取り敢えず上を止めて、▲2四竜、玉の逃げ道を作る
    ためには、△2五角の一手。
2)ここでちょっとズルをして、持駒が歩と桂だから、ここで歩を
    打たないと、打つ時がなくなるから▲2七歩、△1六玉はこの一手。
    詰む位置に移動させるですよね。
3)a)あとは、歩を捨てられない
    b)1七の角は、玉の逃げ道を作るから、最後でなければ動か
        してはいけない
    の条件で、
    ▲3六竜、△同角
    ▲2八桂、△同角
    で、積みの空間を作り
    ▲2六竜まで

これも、ほとんど必然で詰みました。

>      9 8 7 6 5 4 3 2 1
>    +---------------------------+
>    | ・ ・ ・V歩 ・V玉 ・V桂 ・|一
>    | ・ ・ ・ ・ ・ ・V飛 ・ 馬|二
>    | ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・ ・|三
>    | ・ ・ ・ ・ ・V歩 ・ ・ ・|四
>    | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
>    | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
>    | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
>    | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
>    | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
>    +---------------------------+
>    持駒: 金4
softv2022_009c.jpg

これは閉口して、五分近く、どうやったら、飛車がどいてくれるか、
並べる前に悩んでしまいました。方法が思い付かなかったのです。
気がついたら簡単に解けました。
ただ、この問題、4四の歩はどのような意味がありますか?
小生の邪道の解き方では、何か意味があろうと、変化について、か
なり悪戦苦闘しましたが、見つかりませんでした。
ほとんどの時間は、この4四の歩が何か意味あるに違いないという
変化の読みでしたが、見つからないまま、詰んでしまいました。

もし、小生の読みが正しいとしたら、こういう不要の駒がある問題
は、何というのですか?
解答者の勘を錯乱させるための無駄駒の配置は、別に問題にならな
いのですか?

1)▲3一金 △同玉        必然ですよね?
2)▲2二金 △同飛        必然ですよね?
3)▲4一金 △同玉        必然ですよね?
4)▲2三馬 △同飛        必然ですよね?
5)▲4二金
4四歩の意味を教えて下さい。


>  ちょうど「さわやかな詰将棋105」という岡田敏さん著の
> 本がありましたので、それで9手詰21題を再度解いてみました。

教科書は来年そうそう、探して買って来ます。


頓珍漢な乱入に閉口せずに、来年も宜しくご指導下さい。>シゲ太さん
では皆さん、よいお歳を。




圍棋文化研究會  岡崎正博

nifty 会議室 詰将棋入門講座 LOG 009

00409/00410 VED01564  シゲ太           初心向け詰め手筋講座(3)
( 7)   96/12/30 19:33

  第3回は、どんな詰め手筋があるのか、ということについて。
  
  詰将棋の手筋なるものを明文化したことなどないので
岡田敏さんの詰将棋をもとにということで、とりあえずいくつか
解いて、それをもとに考えていくことにします。

 ちょうど「さわやかな詰将棋105」という岡田敏さん著の
本がありましたので、それで9手詰21題を再度解いてみました。

 9手詰というと、攻めの手が5回あり、そのうち5回目は詰める
ための手だから実質4回の手がどういう意味を持っている手なのか
を調べてみました。詰将棋の価値は受けの中にもあるわけですが、
この場合は受けは考えず。

 調べた結果、4手×21題=84手、この84手はすべて下の6通りの
どれかの意味を持つ手であることがわかりました。ときには複合的に
2つ、3つの意味を持つ手もありました。

(1)受け駒の利きをはずす。
(2)退路を封鎖する。
(3)攻めの拠点を作る。
(4)攻め駒の利きへ玉を呼び寄せる。
(5)駒を捨てて空間を作る。
(6)詰めに役立つ駒を取る。

 21題の詰将棋を調べただけなのでまだほかにあるのかもしれないけど
そう多くはないと思います。
 これらのものは手のねらいであり、イコール詰め手筋なのかどうかは
わかりませんが、これらのものが詰め手筋に大きく関わっていることは
間違いないと思います。

 では次回からはその21題の詰将棋をもとに、実際にはどうなって
いるのかを調べていきたいと思います。

                        シゲ太


00410/00410 VED01564  シゲ太           初心向け詰め手筋講座(4)
( 7)   96/12/30 21:59

  では実際の詰将棋において、手のねらいがどういう形で表現されて
いるのかを見ていきたいと思います。
 なお、すべての詰将棋の出典は
「さわやかな詰将棋105」岡田敏著です。

 その前にひとつ。
 手のねらい6項目を前回洗い出しましたが、「攻め駒の利きを作る。」
を落としてしまいました。
以下の通りとします。説明の際に番号で言いますので覚えておいてください。

(1)受け駒の利きをはずす。
(2)退路を封鎖する。
(3)攻めの拠点を作る。
(4)攻め駒の利きを作る。
(5)攻め駒の利きへ玉を呼ぶ。
(6)駒を捨てて空間を作る。
(7)詰めに役立つ駒を取る。



                                9 8 7 6 5 4 3 2 1
    ・・・・・・・・・・      +---------------------------+
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
    ・・・・・・・・・・・    | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
    ・・・・・・・・・・・    | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|三
    ・・・・・・・・・・・    | ・ ・ ・ ・ ・ 竜 ・ ・ ・|四
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V玉V角|六
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ 竜 ・ ・V角|七
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
                              +---------------------------+
                              持駒  桂,歩
softv2022_009b.jpg
 この図から詰み形は想定できませんでした。
 上の方が広いな、というのが第1感で24竜から読みに入りました。
これがだめなら36竜や27歩、18桂かなと・・
そして2手目25角の移動合いの後、しばし見つめて詰み形が見えました。
詰み形が見えれば早いです。そこへ持っていく手だてをこうじればよい
だけです。

作意:24竜、25角、27歩、16玉、36竜、同角、28桂、同角成、
   26竜まで

初手:2、4 3手目:3 5手目:4 7手目:1

 退路を封鎖しながら竜の利きを作ります。さらに拠点を作って竜の利きを
通します。そして受け駒の利きをはずして詰め上げるということでしょうか。

 5手目の36竜から7手目の28桂がいかにも手筋です。



                                9 8 7 6 5 4 3 2 1
    ・・・・・・・・・・      +---------------------------+
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・V歩 ・V玉 ・V桂 ・|一
    ・・・・・・・・・・・    | ・ ・ ・ ・ ・ ・V飛 ・ 馬|二
    ・・・・・・・・・・・4   | ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ ・ ・|三
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・V歩 ・ ・ ・|四
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
                              +---------------------------+
                              持駒  金4
softv2022_009c.jpg
 この図からおぼろげながら詰み形が見えました。23馬から飛車の
利きをはずして頭金までとみました。それは経験で知っているからです。
したがって23馬を実現するための手だてをこうじればよいわけです。

作意:31金、同玉、22金、同飛、41金、同玉、23馬、同飛、42金
   まで

初手:5(1をねらうために) 3手目:4(7手目に利きが通るための工作)
5手目:5 7手目:1

 これは飛車の受けの利きをはずすために、玉を1度馬の利きに呼び込んで
飛車の位置を1度ずらしてからまた玉をもとの位置へ戻して(馬の利きに
戻して)そして飛車の受けの利きをずらすという、ねらいを達成するための
事前工作が主眼と言えばいいかと思います。それが手筋かと思います。


 1回につき4題解説しようと思ったのですが、かなりハードです。(^_^;)
2題ずついきます。長期にわたりますが、よろしくお願いします。

                          シゲ太

nifty 会議室 詰将棋入門講座 LOG 008

00406/00406 VYN03423  岡崎正博         RE:初心向け詰め手筋講座(1)
( 7)   96/12/29 01:46  00404へのコメント

Date:12/29/1996

シゲ太 様:

岡崎です。
早いのにビックリしました。ありがとうございます。

> NECOさんもおしゃっていたのですが、わたしも詰将棋を
>「これはこの手筋、あれは・・」とか考えながら解いたことは
>一度も無いので正直言ってSPECさんから「明文化したものを」
>と頼まれたときは弱りました。少なくともそういった考えで解くと
>いうのはあまり楽しくないものですから。

そうですね。しかし、考える手掛かりがまだないのが、我々初心者
かと思います。問題図をどのように見たらいいのか、が全く分かり
ません。

>楽しいから解くというのが原点だし、そうあり続けたいと思っています。
> 登山家が山頂を極めたいようにこの詰将棋を制覇したいとか、
>「そこに山があるから登るのだ。」じゃないけど、そこに詰将棋がある
>から解いてみたくなる、そういう気持ちってありますよね。
> 1手1手の読みを楽しみながら解きたいし、難しい詰将棋なら
>それこそ体ごとぶつかっていくような感じ。

早くそうなりたいものです。

> それはともかく、本題に入ることにします。

> これはたぶん、古作物(江戸時代の作品)だと思うのですが
>知っている人にとってはああ、あれかとすぐ分かる有名な図です。

ええ、これは、数日前に読んだ「光速の寄せ第五巻」に出ていた図
とほとんど同じで、同じ手筋で詰みますから、小生も、「ああ、あ
れか」ですぐ分かりました。


  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V桂V香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V玉 ・|二
| ・ ・ ・ ・ ・ ・V歩 ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・V歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
持駒  金,銀
softv2022_008a.jpg

谷川浩司, 光速の寄せ第五巻, 日本将棋連盟, 1996, p. 21

> 詰め手順:23銀、13玉、12銀成、同香、23金までの5手詰
>
> こういった詰将棋を手筋物といいます。なぜでしょうか。
>
> 詰将棋というのは玉をつかまえるまでの1手1手が絶対手であり(つまり
>その手以外ではつかまえることはできないのであって)何かしらの意味を
>持った手です。意味の無い手は詰将棋には有り得ません。
>
> そこで5手詰なら1手目、3手目の意味を考えることになります。
>(5手目は「つーかまーえた。」という手なので考えに入れません。)
>
> さて上図の1手目は「玉をつかまえられる位置に移動させた手」です。
>3手目は「玉をつかまえるための空間を作った手」です。
>というふうに手の意味をつなげていくとそれが手筋というものになるかなと
>考えるわけです。

なるほど。
そこで、「つかまえられる」と言うのは、どうして分る(あるいは
感じる)のですか?
貯えられている知識ですか、それとも形ですか?

次に△1三玉に対して、もし2三の銀がいなければ詰むと言うのは
ちょっと考えれば、分かります。それで、王手になっている手と言
えば、これはすぐ解けます。
しかし、最初の「つまえられる位置」と言うのが難しい。

参考までに、今日、瞬間的に解けなかった五手詰めを。

  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ と ・ ・ ・|一
| ・ ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・|二
| ・ ・ ・ ・ ・V玉 角V歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 金 ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・V馬 ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
持駒  なし
softv2022_008b.jpg
何を考えたかと言うと、

1)玉が5筋の方に逃げたら、もう捕まえられない。
    →従って、飛車は取られてはいけない。
    →        飛車は動いてもいけない。

2)とすると、第一手目は、4二と、か、4二角成。

3)▲4二と、の場合
    △3三玉の一手
    次は、持駒がないから、2二、1三と玉に逃げられると面倒
    従って、▲3二と、か、▲5六角
    読んで、う~ん、どちらもうまく行かない。

4)そこで、第一手は▲4二角に仮決定。

5)△4四玉の一手。

6)さて、そこで、5筋の飛車の利きはなくす訳に行かない。
    持ち駒はない。
    金は棄てられない。
    すると、
    ▲3三馬、か、▲4三馬、しかないが、▲4三馬は、さっき
    ▲3二と、の変化を読んでうまくいかなかった。
    だから、▲3三馬、よりしかたがない

7)△同玉、と取ってくれれば、心配の上の方と、2二の点を同時
    に防いで、▲4二飛成、でうまくいく。

8)そこで、馬を取らずに、△4五玉。

9)アララ、うまく馬が利いてるわ。
    ▲5五飛成で詰んじゃった。

この間、約30秒。何にかかったかというと、初手▲4二と、ではう
まく玉にすり抜けられて追い詰められない、という確認の時間。
しかし、馬の利きがあるなどと言うのは、たまたまうまくいっただ
けの話。
どうも小生の解き方は、小生が紅顔の美少年のせいか、運命の女神
に助けられて”ラッキーー”って感じで解けることが多いのです。
なんとか、もう少し、女神に助けられて解ける確立を減らしたい。

> そして詰将棋において決定的なことは捨てる手が入っているということ
>です。(もちろん入ってないものもあるでしょうが。)

いえ、小生は、馬を捨てるつもりなど無かったのですよ。せっかく
馬になったのに勿体ない。出来ることなら、玉は捨てても、飛車や
角は捨てたくない。周囲の情勢から、泣く泣く切ったつもりが、相
手が取ってくれなかっただけです。
で、この捨て方が難しいんですよね。

>(途中でのご意見、乱入等歓迎です。何分力不足なものですから、みなさんで
> 作っていける講座になる方が気が楽です。よろしくお願いします。)

まずは授業開始そうそうの乱入でした。

そう言えば、「光速の寄せ」にこんな図もありました。

  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V桂V香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V玉 ・|二
| ・ ・ ・ ・ ・ ・V歩 ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩V歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
持駒  金,銀

softv2022_008c.jpg


圍棋文化研究會  岡崎正博
e-mail: VYN03423@niftyserve.or.jp

00408/00408 VED01564  シゲ太           初心向け詰め手筋講座(2)
( 7)   96/12/29 15:14

 岡崎さんの質問について
     >瞬間的に解けなかった5手詰
      わたしは7、8秒といったところでした。
      もっとも駒の向きを確認するのに多くの
      時間を費やしましたが。(vの字のついた
     駒には慣れていないので(^_^;)

     しかし、30秒というのは立派だと思います。
     少なくとも初心者ということはないと思います。
    
    >光速の寄せ5にこんな図も。
     3手必至ですね。これも有名な図です。

    >「つかまえられる」というのはどうしてわかるのか。
     講座(2)へ行きましょう。

 前回は手のねらいと、捨て駒ということについて話しましたが、
第2回は詰み形の想定ということです。(急遽(^_^;)

 詰将棋を解くには詰み形を想定するという作業は不可欠です。
ところが多くの詰将棋は始めに見た図から詰み形を想定するのは
難しいのがふつうです。
 下図を見てください。(出典:さわやかな詰将棋105 岡田敏著)

                                9 8 7 6 5 4 3 2 1
    ・・・・・・・・・・      +---------------------------+
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V玉|一
    ・・・・・・・・・・・    | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|二
    ・・・・・・・・・・・2   | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・|三
    ・・・・・・・・・・・    | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V歩|四
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
                              +---------------------------+
                              持駒  角2,歩
softv2022_008d.jpg
 この図を見て最終の詰み上がりの局面をいきなり想定するということ
はかなり難しいように思えます。少なくともわたしにはできません。
しかし、これを1秒ほどで「あ、22馬までの13手詰ですね。」
と答えられる人もいるのは事実です。
そこのところを岡崎さんが求めているのならわたしには役不足と
言わざるを得ません。

 さて、ではこの詰将棋の詰み形をどうやって知り、詰ますのかというと。

 この詰将棋の詰み形をいくつか想定し、そこへ持っていくための手を
くだして詰ますことができたら、それはまったく理論的にこれを解いた
といえるのかもしれませんが、多くの場合そうではなく手を読み、つなげ、
試行錯誤の中から詰み形をさがしているというのが正しいように思います。
(では瞬間的に解く人は何なのだ、ということになりますがーー誰か教えて)

 わたしの解き方は手をつなげるには初手の王手は21飛捨てしかない
というところから読みに入っていきます。
 詰将棋の大きな要素に必ず詰む、というのがあります。これは指し将棋と
まったく異なるところで、ゆえに詰将棋というのは指し将棋にくらべたら
かなり解明しやすいものであると言えると思います。
 さてそういうわけで21飛捨てから手をつなげていけば見えてくるものが
あるだろうというわけです。そして攻めの拠点を32角か、43角かと
模索しながらおおざっぱな読みとともに感覚的なものも使って詰み形を
さがしていくわけです。

 岡崎さんが質問された「つかまえられるとどうしてわかるのか。」は
あれこれ読んでいるうちに詰み形が見えた、というのがほんとうの
ところでしょうか。
つまり詰み形をたくさん知っていることが速く解くひとつの要素になるか
とは思います。
(これじゃ光速の読みにならないって?でもみんなそんなふうに読んでいる
 と思うんだけどなあ。)

 前題の5手詰も13玉、23金の詰み形に持っていければというよりも、
初手は23銀しかないというところから読みに入って、そして詰み形を
さがすというのが自然かなあと思います。その方が速いでしょう。わたしも
そうだし。

 詰め手筋についてはまた次回に。
                            シゲ太

nifty 会議室 詰将棋入門講座 LOG 007

00402/00402 VYN03423  岡崎正博         RE:Unsuccessful comment
( 7)   96/12/28 00:52  00401へのコメント

Date:12/28/1996

シゲ太 様:

>> さて、詰将棋手筋教室の件ですが、岡田敏さんの9、11手あたりの詰将棋を
>> 題材にして詰め手筋を洗い出したいとのこと。
>> いやあ、弱りました。
>> そんな力無いし、ましてやSYUUさんやTETSUさんなどお歴々の見ている中での
>> ことでしょう?恥をさらすようなものですものね。金子義隆さんが断ったのは
>> もっともだと思いました。
>> しかし、面と向かって頼まれてはむべに断るわけにもいかず、しかたないので
>> この冬休み2週間を利用してほんのさわり程度になるかもしれないけど、
>> 一応やってみることにしました。

なるべく単純なやさしい問題からやって下さい。
最初は一桁が有り難いですねえ。

>  ありがたいことです。そしてその続きをNEKOさんにお願いして、春休
>みになったら、またシゲ太さんにお願いして、...。(^_^)
>
>> 岡田敏さんの詰将棋は勝手に引用させてもらうことになるわけですが、
>> 大丈夫でしょうね。>SPECさん
>
>  出展などをきちんとしておけば、きっと許してくださるでしょう。
   ^^^^
   出典

>  岡田さん、よろしいですか。(事後承諾を頂くのにも自信が...(^_^;)
>
>> では、少し研究の時間をいただいて、後ほど。
>
>  こちらのほうの会議室でお願いしますね。

楽しみにしています。宜しくお願いします。
何とか、10何手と言うのを確実に解けるようになりたいのです。
恰好良く、光速で詰めれるようになりたいのですよ。


圍棋文化研究會  岡崎正博

00403/00404 VED01564  シゲ太           >岡崎様
( 7)   96/12/28 16:50

 岡崎正博さん、こんにちは。

 お話はSPECさんより伺っております。
 囲碁の世界では特異な理論をお持ちだそうで、
 自身の理論を確かめるために
 小林光一さんに2子置かせて、打ってもらいたいと頼んだとか。
 

 SPECさんによるとどうしても詰将棋の世界へ
 引っ張り込みたいとのこと。
 詰将棋解析においてその理論が生かせるかどうか。

 何でわたしがそんなことしなけりゃならないの、という気持ちも
 あるのですが、まあ、そう固いことは抜きにして講座を始めましょう。

                          シゲ太

00404/00404 VED01564  シゲ太           初心向け詰め手筋講座(1)
( 7)   96/12/28 16:51

 これから初心者向けに詰め手筋講座を8回に分けて行います。

 NECOさんもおしゃっていたのですが、わたしも詰将棋を
「これはこの手筋、あれは・・」とか考えながら解いたことは
一度も無いので正直言ってSPECさんから「明文化したものを」
と頼まれたときは弱りました。少なくともそういった考えで解くと
いうのはあまり楽しくないものですから。
楽しいから解くというのが原点だし、そうあり続けたいと思っています。
 登山家が山頂を極めたいようにこの詰将棋を制覇したいとか、
「そこに山があるから登るのだ。」じゃないけど、そこに詰将棋がある
から解いてみたくなる、そういう気持ちってありますよね。
 1手1手の読みを楽しみながら解きたいし、難しい詰将棋なら
それこそ体ごとぶつかっていくような感じ。

 それはともかく、本題に入ることにします。

  まず詰め手筋とは何か、について。
下図を見て下さい。(この盤面はどう映っているのでしょうか?
右側はよく見る図でVの字のついている駒は逆さに見るわけですが、
左側のものはかや外字を使うとふつうの盤駒に見えます。)
  
 これはたぶん、古作物(江戸時代の作品)だと思うのですが
知っている人にとってはああ、あれかとすぐ分かる有名な図です。

                                9 8 7 6 5 4 3 2 1
    ・・・・・・・・・・      +---------------------------+
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V桂V香|一
    ・・・・・・・・・・・    | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・V玉 ・|二
    ・・・・・・・・・・・    | ・ ・ ・ ・ ・ ・V歩 ・ ・|三
    ・・・・・・・・・・・    | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩V歩|四
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・|五
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
    ・・・・・・・・・・      | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
                              +---------------------------+
                              持駒  金,銀
softv2022_007.jpg
 詰め手順:23銀、13玉、12銀成、同香、23金までの5手詰

 こういった詰将棋を手筋物といいます。なぜでしょうか。

 詰将棋というのは玉をつかまえるまでの1手1手が絶対手であり(つまり
その手以外ではつかまえることはできないのであって)何かしらの意味を
持った手です。意味の無い手は詰将棋には有り得ません。

 そこで5手詰なら1手目、3手目の意味を考えることになります。
(5手目は「つーかまーえた。」という手なので考えに入れません。)

 さて上図の1手目は「玉をつかまえられる位置に移動させた手」です。
3手目は「玉をつかまえるための空間を作った手」です。
というふうに手の意味をつなげていくとそれが手筋というものになるかなと
考えるわけです。

 そして詰将棋において決定的なことは捨てる手が入っているということ
です。(もちろん入ってないものもあるでしょうが。)
たとえば上図で持駒金金なら誰も詰将棋とは言わないでしょう。

 玉を移動させるために捨てる、受け駒の利きをはずすために捨てる、
攻め駒の利きをつくるために捨てる、そして本問のように空間をつくる
ために捨てる・・

 こういった要素が絡み合ったとき、それは詰め手筋ということが言え
そうです。

 では実際にどういった手筋があるのか。ちょっと長くなったのでそれは
次回にまわします。
 
                           シゲ太
(途中でのご意見、乱入等歓迎です。何分力不足なものですから、みなさんで
 作っていける講座になる方が気が楽です。よろしくお願いします。)