解答募集基準

「詰将棋の世界」 p17 には、以下のような記述がある。

しかし時代が下がり、新聞や雑誌に発表された詰将棋の解答を読者が応募する文化が一般的になるにつれ、「好手、妙手があるのが本手順」という曖昧な基準では困ることが増えてきました。作品によっては、どの手順が正解なのか判別するのが難しかったからです。そこで、正解手順を客観的に確定させる「玉方最善」のルールが、少しずつ整備されていきました。変長などのグレーゾーンルールの存在は、かつての妙手優先ルールの名残なのです。

ここで、「困ること」になったのは、誰か?それは、新聞や雑誌の詰将棋担当者だろう。

数千人もの解答の審査は大変だろうし、もし、余詰作の場合の判定は、詰将棋を知らない者が機械的に判定するのも難しかったろう。そして、余詰作に対する解答者の対応にも、新聞では、いろいろと問題があったようだ。

一般の新聞や雑誌では、出題者の示したものと同じものを正解とするという事だったろうが、「近代将棋」や「詰将棋パラダイス」などの専門誌ではそうもいかないので、何らかの基準は必要だった。

そこで出てきたのが「攻方最短、受方最長」というものだった。大多数の詰将棋は、これに該当する。あとは、指将棋と同様に、いままでは無視していた、2手長い順を得るために間遮(アイシャ)する順の取り扱い方を決めればいい。「受方最長」から言えば間遮する順を選ぶことになるが、指将棋での指手選択基準との乖離がある。で「2手長1駒余り」順(「4手長2余り」順など)も正解とするというような表現で、どちらが原則にあっているかは曖昧にしたようだった。

上記の基準で、上手くいくはずだった。「近代将棋」は余詰作を出題しないを掲げ、「詰将棋パラダイス」では、解答競争(余詰指摘回数も考慮に入れていた?)も始まった。

しかし、まだ、余詰作の出題は続くのだった。

しばらくすると、「近代将棋」は余詰作を出題しないを掲げなくなり、「作意順」・「作意順の余詰順」も正解にすることになる(これは当初からかもしれない)。「攻方最短、受方最長」も、「攻方任意、受方最善」という表現になり、「2手長1駒余り」順も「無駄合」という表現になったし、間遮に関係しない「2手長1駒余り」順も見かけることは稀になった。

なぜ、「作意順」・「作意順の余詰順」も正解と明記したかというと、

作意順より短い手数の余詰があり、変化手順の手数より短くなった場合、作意順は「玉方最善」を満たしていない事になるからだった。

解答審査が済んで数か月たってから、余詰が指摘された場合、運営上解答審査をやり直すことは不可能だろう。だから妥当と思われるのだが、これは、変化別詰を正解としたことになる。この本来不正解な変化別詰を正解にするという矛盾をどうにかせよというのが、変別論争の本質だろう。余詰の出題が少なくなれば矛盾も表面化することもなく、論争もなくなるのであった。

以上のように、解答募集基準をまとめてみたが、事実誤認もあるかもしれない。まあ、少しずつ変わってきたという事は、これからも変わりゆくものだろう。
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